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くるまの保険 / 任意の自動車保険

問15

車両保険は、どのような保険ですか。

答え
被保険自動車が、偶然な事故によって損害を受けた場合に保険金を支払う保険です。

車両保険では、契約時に特定した自動車(以下「被保険自動車」といいます。)が偶然な事故によって損害を受けたときに保険金が支払われますが、この「偶然な事故」とは、交通事故だけではなく、衝突、接触、墜落、転覆、物の飛来、物の落下、火災、爆発、盗難、台風、洪水、高潮など、あらゆる偶然な事故で、被保険者の過失によって発生した偶然な事故も含みます。車両保険においては、約款で定めている「保険金を支払わない場合」を除き、原則として、すべての事故に対し、保険金が支払われます(ただし、後述のとおり、契約パターンによって補償範囲を限定している場合があります。)。

車両保険で、保険金が支払われない主な場合は、次のとおりです。

1.
契約者、被保険者、被保険自動車の所有者、保険金受取人などの故意または重大な過失によって生じた損害
2.
被保険者の無免許運転、酒酔い運転、麻薬・シンナーなどを使用した運転によって生じた損害
3.
戦争、内乱、暴動などの異常な事態によって生じた損害
4.
地震・噴火またはこれらによる津波によって生じた損害
5.
詐欺、横領によって生じた損害
6.
被保険自動車を競技、曲技もしくは試験のために使用すること、または被保険自動車を競技、曲技もしくは試験を行うことを目的とする場所において使用することによって生じた損害
7.
被保険自動車の欠陥、摩滅、腐しょく、さび、その他自然の消耗による損害
8.
故障損害
9.
被保険自動車から取りはずされて車上にない部分品・付属品に生じた損害
10.
付属品のうち被保険自動車に定着されていないもの(注1)に生じた損害。ただし、被保険自動車の他の部分と同時に損害を被った場合、火災によって損害が生じた場合を除く。
11.
タイヤ(注2)に生じた損害。ただし、被保険自動車の他の部分と同時に損害を被った場合、火災または盗難によって損害が生じた場合を除く。

なお、上記のとおり「地震・噴火またはこれらによる津波によって生じた損害」については、保険金支払いの対象外ですが、一定の条件(補償する損害を限定しないタイプの車両保険を契約している場合で車両が全損となった場合など)で、一定額(50万円など)を扱っている会社もあります。

注1 被保険自動車に定着または装備されている物(付属品)の取扱い

  • 「定着」とは、ボルトやネジ等で固定されており、工具等を使用しなければ容易に取りはずせない状態をいいます。
  • 自動車の「付属品」として取扱われるものは、法令により自動車に定着または装備されている物や自動車に定着または装備されている一般的な付属品や使用中のオイル類などで、次のような物が含まれます。
    〈例〉
    警告反射板・非常用信号用具・消火器・カーステレオ・カーナビゲーション・時計・クーラー・タイヤチェーン・潤滑油・バッテリーの電解液・冷房用フロンガス など
  • 一方、「付属品」として扱わないものは、燃料、法令により定着または装備することを禁止されているもの、通常装飾品とみなされる物などがあります。
    〈例〉
    ガソリン・ボディーカバー・洗車用品・クッション など

注2 タイヤの損害に対する補償
タイヤのみの損害は保険金支払いの対象外ですが、火災・盗難による損害は保険金支払いの対象となります。

車両保険では、補償範囲の違いによって、いくつかのタイプ(種類)が用意されています。次の表に記載した3つのタイプはその例ですが、補償する損害を限定したタイプになるほど保険料は安くなります。

○:補償します ×:補償しません

  他車との衝突等による
損害
火災・爆発・盗難等に
よる損害(注3)
単独事故等による
損害(注4)
パターン1
パターン2 ×
パターン3 × ×
保険会社により選択できるパターンが異なります。
他車との衝突は、相手自動車が確認できる場合に限ります。

注3 保険会社により補償内容は異なりますが、その他、次のような「偶然な事故による損害」が含まれるケースもあります。

〈例〉
物の飛来、物の落下、台風・洪水・高潮 など

注4 保険会社により補償内容は異なりますが、具体例として次のようなものがあります。

〈例〉
電柱・ガードレールに衝突、あて逃げ、墜落、転覆 など

車両保険を契約する際の注意点は、次のとおりです。

1.
保険金額
車両保険は、契約時における市場販売価格相当額(「問16」参照)を基準に保険金額を設定します。事故による修理代などが、この保険金額を超える場合には、保険金額を限度に保険金が支払われます。
2.
免責金額(自己負担額)
損害額の一部を免責金額(自己負担額)とすることができます。免責金額(自己負担額)を設定すると保険料は割安になりますが、事故が起こったときに自己負担となる金額が増えることになります。
3.
補償範囲
保険料を割安にしたタイプの車両保険もありますが、その分だけ補償範囲は限られることとなります。例えば、あて逃げ等の単独事故(相手自動車が確認できない場合)などによる損害を補償しないタイプを選ぶと、これら事故により車両が損害を受けたときには保険金は支払われないことになります。

このほか、車両事故が起こると予期せぬ出費(間接損害)が発生することが考えられますが、こうした費用についても補償の対象にすることができる場合があります。補償の形態は、車両保険の中に盛り込んでいるものや特約で補償するもののほか、サービスのひとつとして提供されるものなどがあり、契約内容によって異なりますが、具体的な補償内容としては例えば次のようなものがあります。

身の回り品の補償 自動車の車室内・トランク内に収容またはキャリアに固定された個人が所有する身の回り品が、偶然な事故で損害を被った場合に保険金が支払われます。
代車等の補償 自動車が損傷したことにより使用できなくなり、代車などを利用する必要がある場合に、そのための費用に対し保険金が支払われたり、保険金の支払いではなく代車そのものの提供(現物給付)が行われたりします。
事故付随費用の補償 自動車が損傷し自力走行できなくなることに付随して発生する各費用(臨時宿泊費用、臨時帰宅費用、搬送・引取費用、キャンセル費用等)に対し保険金が支払われます。

また、ロードアシスタンスサービス(「ロードサービス」など名称は保険会社によって異なります)の利用が受けられる契約もあります。詳しくは保険会社または代理店に照会ください。

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