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共通 / Ⅳ.損害保険の契約について

質問

契約者と被保険者の違いとは?

答え
契約者とは、保険会社に契約の申込みをして保険料を支払う人で、契約の当事者です。被保険者とは、保険の補償を受ける人または保険の対象になる人です。契約者と被保険者は同一の人であることもあり、別人であることもあります(注10)。

損害保険における契約は、保険会社と契約者との契約です。契約者とは、保険会社に契約の申込みをする人をいいます。契約が成立すれば、保険料の支払義務を負うことになります。契約を申込んだ段階では、申込人といいます。

契約者は、保険料の支払義務のほかに、告知義務を負います。また、契約解約権(契約を解除(解約)する権利)や、保険料返還請求権(契約が解除された場合に返還保険料を受領する権利)を有します。

一方、被保険者とは、保険の補償を受ける人または保険の対象になる人をいいます。契約者と同一の人であることもあり、別人であることもあります。被保険者は、原則として金銭に見積もることができる経済的な利益を有している必要があります。被保険者も契約者同様に告知義務を負っています。

保険法

注10 保険法 第2条(定義)
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(略)

保険者 保険契約の当事者のうち、保険給付を行う義務を負う者をいう。
保険契約者 保険契約の当事者のうち、保険料を支払う義務を負う者をいう。
被保険者 次のイからハまでに掲げる保険契約の区分に応じ、当該イからハまでに定める者をいう。
損害保険契約 損害保険契約によりてん補することとされる損害を受ける者
生命保険契約 その者の生存又は死亡に関し保険者が保険給付を行うこととなる者
傷害疾病定額保険契約 その者の傷害又は疾病(以下「傷害疾病」という。)に基づき保険者が保険給付を行うこととなる者
保険金受取人 保険給付を受ける者として生命保険契約又は傷害疾病定額保険契約で定めるものをいう。

(略)

被保険者が契約者でないときは、この被保険者は契約の当事者ではないため、事故発生の場合の保険金請求権を除いては、契約解約権(ただし、保険法第34条および第87条に定める被保険者による解除請求を除く(「問75」参照)。)や、保険料返還請求権はありません。ただし、保険法や約款の規定に基づき、告知義務(「告知義務」参照)や通知義務(「通知義務」参照)および損害防止義務(注11)を負っています。

保険法

注11 保険法 第13条(損害の発生及び拡大の防止)
保険契約者及び被保険者は、保険事故が発生したことを知ったときは、これによる損害の発生及び拡大の防止に努めなければならない。【任意規定】

契約者、被保険者は、ともに個人に限定せず、法人でも構いません。
なお、損害保険では、被保険者は基本的に補償の対象になると同時に保険金などの支払いを受けますが、生命保険では、その人の病気やケガなどが保険の対象になっている人のことを被保険者といい、保険金などの支払いを受ける人は受取人として区別しています。

契約者と被保険者が異なる契約

  • 住宅を対象とする火災保険など損害保険では、契約者と被保険者は同一人であることが一般的になっています。しかし、自動車保険や傷害保険などでは契約のしかたによっては、契約者と被保険者が異なる場合があります。例えば、父親が家族全員を補償の対象として家族傷害保険を契約し保険料を支払った場合には、契約者は父親となり、被保険者は父親および配偶者を含む家族全員となります。

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