問64 | 火災保険しか契約していないのですが、途中から地震保険を契約することはできますか。 |
---|
- 答え
- 火災保険を契約していれば、その保険期間中に地震保険を契約することができます。
地震保険は単独で契約することはできません。火災保険とともに契約することになっています(火災保険と地震保険は別の保険会社で契約することは出来ません。)。
このため、火災保険契約がなければ地震保険を契約することはできませんが、すでに火災保険を契約している場合には、火災保険の保険期間中に地震保険を契約することができます(その場合、地震保険の保険期間は火災保険の保険期間の末日と同じになります。)。火災保険の種類は、「地震保険に関する法律」(注1)および同法の施行規則(注2)に規定されています。
注1 地震保険に関する法律 第2条(定義)
この法律において「保険会社等」とは、保険業法(1995年法律第105号)第3条第5項の損害保険業免許若しくは同法第185条第5項の外国損害保険業免許を受けた者若しくは同法第219条第5項の免許を受けた者の社員(第9条の2において「保険会社」という。)又は他の法律に基づき火災に係る共済事業を行う法人で財務大臣の指定するものをいう。
2 この法律において「地震保険契約」とは、次に掲げる要件を備える損害保険契約(火災に係る共済契約を含む。以下同じ。)をいう。
- 一
- 居住の用に供する建物又は生活用動産のみを保険の目的とすること。
- 二
- 地震若しくは噴火又はこれらによる津波(以下「地震等」という。)を直接又は間接の原因とする火災、損壊、埋没又は流失による損害(政令で定めるものに限る。)を政令で定める金額によりてん補すること。
- 三
- 特定の損害保険契約に附帯して締結されること。
- 四
- 附帯される損害保険契約の保険金額の100分の30以上100分の50以下の額に相当する金額(その金額が政令で定める金額を超えるときは、当該政令で定める金額)を保険金額とすること。
注2 地震保険に関する法律 施行規則 第1条(保険の目的の範囲等)
1 (略)
2 法第2条第2項第3号に規定する特定の損害保険契約は、次に掲げる保険の種類に属する保険契約とする。
- 一
- 火災保険
- 二
- 火災相互保険
- 三
- 建物更新保険
- 四
- 満期戻長期保険
上記の法律のとおり、地震保険は「特定の損害保険契約」に付帯(セット)して締結する(以下「原則自動付帯」といいます。)こととされており、施行規則において「特定の損害保険契約」とは「火災保険」「火災相互保険」「建物更新保険」「満期戻長期保険」であると規定されています。このため、「火災共済」など共済組合で販売している商品に、地震保険をつけることはできないことになります。
地震保険は火災保険とともに販売することで、普及の促進を図っています。また、契約の維持管理にかかる費用(保険証券の発行費用など)を削減しており、地震保険単独で販売するよりも経費を抑えて可能な限り低い保険料で地震保険を提供するようにしています。これは「地震保険に関する法律」(注3)の趣旨に沿ったものと考えられます。
注3 地震保険に関する法律 第5条(保険料率及び再保険料率)
政府の再保険に係る地震保険契約の保険料率は、収支の範囲内においてできる限り低いものでなければならない。
「原則自動付帯」とは、契約者が特に希望しない場合には地震保険を付帯
(セット)しないこともできるということです。付帯(セット)を希望しない場合には、申込書に確認印を押すことで、付帯(セット)しないという意思を明示していただいています(右図参照)。
これは、火災保険契約時に、地震による損害を補償するには地震保険の付帯(セット)が必要であることを契約者に確認していただく意味もあります。
地震保険の普及率(火災保険への付帯率)
- 地震保険の普及状況を図る指標として、「火災保険への付帯率」というものがあります。この指標では、火災保険(住宅物件)を契約した人がどれだけ地震保険を付帯(セット)しているかを把握することができます。2020年度における付帯率は68.3%(全国平均)となっており、同年度に火災保険を契約した人のうち半数以上の人が地震保険を付帯(セット)していることになります。
- 地震保険は「原則自動付帯」となっているため、契約するかどうかは契約者の意思によって決められますが、本当に不要かどうかをよく考えたうえで判断する必要があります。