問53 | 二世帯住宅の場合やマンションに住んでいる場合の火災保険の契約方法を教えてください。 |
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- 答え
- 二世帯住宅で親世帯または子世帯のどちらか一方に住宅の所有権がある場合は、所有権を有している方が契約者になります。また、マンションなどの区分所有建物は、専有部分と共用部分で分けて契約するのが一般的です。
二世帯住宅で所有権が親世帯または子世帯のどちらか一方にある場合は所有権を有している方が契約者となり、親と子で別々の場合(共有の場合を含む。)はそれぞれが契約者となります。
なお、家財については、どちらか一方に所有権があった場合でも、それぞれの世帯で契約する必要があります。
マンションなどの区分所有建物は、各区分所有者(入居者)の単独所有となる専有部分(室内、間仕切り壁など)と、区分所有者全員の共有となる共用部分(玄関ホール、廊下、外壁など)から構成されています。
この所有形態に対応して、区分所有建物に対する火災保険の契約方法として、次の3つの方式が考えられます。
- 1.
- 個別付保方式(専有部分のみ)
区分所有者が専有部分のみに対して火災保険を契約する方式です。 - 2.
- 個別付保方式(専有部分+共用部分の共有持分)
区分所有者が専有部分とあわせて、共用部分のうち自己の共有持分に対して火災保険を契約する方式です。 - 3.
- 共用部分一括付保方式
マンション管理組合が契約者となって、共用部分の財物全体を補償の対象とする火災保険を契約する方式です。
上記の方式のうち、「1.」と「3.」による組み合わせが最も多いと思われます。すなわち、専有部分については各入居者が個別に契約し、共用部分についてはマンション管理組合で一括して契約する方式です。この方式であれば契約漏れがなく、共用部分に罹災があったときにも修復費用の負担を心配することなく、保険金での復旧が可能となります。
上記の「2.」による付保方式では入居者任せになるため、火災保険を契約していても補償内容がバラバラであったり、未契約者が発生したりもします。また、事故が発生した際、不十分な保険手当てしか行っていない入居者がいる場合にはトラブルも予想されますので、注意が必要です。
マンション管理組合が契約する火災保険
- 「区分所有法」(正式名称「建物の区分所有等に関する法律」)では、「共用部分につき損害保険を契約することは、共用部分の管理に関する事項」とされています。国土交通省作成のマンション標準管理規約でも、共用部分の火災保険その他の損害保険に関する業務はマンション管理組合の業務とされており、多くのマンションの管理規約には、共用部分の火災保険などの契約がマンション管理組合の業務として定められています。
- マンション管理組合が損害保険を契約するためには、管理規約に則した手続きを経ることが必要となります(新たな契約を締結する場合には、入居者による総会での決議が必要とされるのが一般的です。)。
- なお、マンションの専有部分で火災、爆発等の事故が発生したとしても共用部分にまで被害が及ぶケースや、共用設備等で発生した火災・爆発等が原因で居住者に損害が及ぶケースも考えられます。復旧費の調達に支障を来たさないよう、共用部分についても損害保険を活用することが重要です。