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からだの保険・他 / その他の保険

問94

PL保険は、どのような保険ですか。

答え
PL保険は、製造業者等が製造または販売した製品等が原因で、他人にケガをさせた場合などに、事業者が法律上の損害賠償責任を負担する場合の損害を補償する保険です。

PL保険(生産物賠償責任保険)は、製造業者等が製造または販売した製品、あるいは工事業者等が行った仕事の結果が原因で、他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりしたために、事業者が法律上の賠償責任を負担することにより被る損害を補償する、事業者向けの保険です。

1995年7月1日に施行された製造物責任法(PL法)によって、製品事故が発生した場合には、被害者が製品の欠陥を証明できれば、その製品の供給者側である事業者の過失の有無を問わずに損害賠償責任を追及できるようになったことから、メーカーなどからのニーズが高くなっています。

この保険で支払われる保険金としては、「損害賠償金」「争訟費用(裁判・弁護士費用等)」などがありますが、製品自体の損害や回収・修理・交換等の費用については支払いの対象外になっています。

責任保険契約についての先取(さきどり)特権

  • 例えば、PL保険を契約している事業者が製品事故を起こした後、倒産したような場合、PL保険の保険金が事業者に支払われても、その金銭が破産処理に使われてしまうと、製品事故の被害者は、破産による被害を被った他の債権者と同様の扱いを受けてしまうため、被害に対する十分な回復が受けられなくなります。そこで、保険法では、責任保険契約における先取(さきどり)特権(注)を認めており、事業者が破産した場合などであっても、被害者が保険金から優先的に被害の回復が受けられるように規定しています。
  • なお、上記は事業者における例を記載していますが、個人が破産した場合であっても同様の取扱いとなります。

保険法

注 保険法 第22条(責任保険契約についての先取特権)
責任保険契約の被保険者に対して当該責任保険契約の保険事故に係る損害賠償請求権を有する者は、保険給付を請求する権利について先取特権を有する。【強行規定】

2 被保険者は、前項の損害賠償請求権に係る債務について弁済をした金額又は当該損害賠償請求権を有する者の承諾があった金額の限度においてのみ、保険者に対して保険給付を請求する権利を行使することができる。【強行規定】

3 責任保険契約に基づき保険給付を請求する権利は、譲り渡し、質権の目的とし、又は差し押さえることができない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

第一項の損害賠償請求権を有する者に譲り渡し、又は当該損害賠償請求権に関して差し押さえる場合
前項の規定により被保険者が保険給付を請求する権利を行使することができる場合

【強行規定】

なお、保険法における先取(さきどり)特権については、民法第303条に規定する「先取特権者」の権利を「被害者(これは保険法第22条に規定する「保険事故に係る損害賠償請求権を有する者」に該当します。)」に付与することを前提にするとともに、一定の場合を除き、その権利を「譲り渡すこと」、「質権の目的とすること」または「差し押さえること」ができないなどの規定も設けられています。

民法の先取(さきどり)特権

  • 先取(さきどり)特権は、民法において次のとおり定められており、例えば会社が倒産した場合であっても、従業員の給料債権は、通常の債権者の債権より優先して保護されるということが読み取れるようにしています。

    民法 第303条(動産の先取特権の順位)
    先取特権者は、この法律その他の法律の規定に従い、その債務者の財産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。

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