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からだの保険・他 / その他の保険

問80

個人賠償責任保険は、どのような保険ですか。

答え
個人またはその家族が、日常生活で誤って他人にケガをさせたり他人の物を壊したりして、損害賠償金や弁護士費用などを負担した場合の損害を補償する保険です。

個人賠償責任保険は、日常生活で誤って他人にケガをさせたり他人の物を壊したりして、法律上の損害賠償責任(注1)を負担することによって被る損害を補償する保険です。一般的に、火災保険や傷害保険、自動車保険などの特約として販売されています。日常生活(仕事中を除く。)の中で実際に損害賠償金を請求されることは少ないかもしれませんが、最近では、自転車事故によって他人を死傷させた場合に、高額な損害賠償金を請求されるケースも発生しており、家計に大きなダメージを与えることもあり得ます。

注1 法律上の損害賠償責任の一例として、民法第709条に規定される「不法行為責任」(注2)があります。なお、通常、個人賠償責任保険では「故意」による損害には保険金は支払われません。

注2 民法 第709 条(不法行為による損害賠償)
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

通常、個人賠償責任保険の被保険者(注3)は記名被保険者本人とその家族(配偶者、同居の親族、別居の未婚の子など)となります。したがって、世帯主が契約すれば子供が起こした事故も補償されます。

注3 被保険者が責任能力のない未成年者や認知症の高齢者など責任無能力者である場合は、その親権者や法定の監督義務者等も被保険者となる保険商品もあります。

補償の対象となる事故例は、次のとおりです。他人の「身体」や「財物」に損害を与えた場合が対象となります。

1.
買い物中に陳列商品を落とし破損させた。
2.
飼い犬が他人を噛んでケガをさせた。
3.
子供が駐車場に停めてあった他人の車をキズつけた。
4.
自転車で走行中に歩行者とぶつかり後遺障害を負わせた。
5.
マンションの自宅の風呂場からの水漏れにより、階下の戸室の家財に損害を与えてしまった。
6.
ガス爆発によって、隣の建物を損壊させた。
7.
ベランダの鉢植えが落下して歩行者の頭に当たり死亡させた。

個人賠償責任保険で保険金支払いの対象となる損害や主な費用は、次のとおりです。なお、損害賠償の請求を受け、その賠償責任の全部または一部を承認しようとするときは、あらかじめ保険会社の承認を得ないと、保険金が削減される場合がありますので注意が必要です。

1.
被害者に対する損害賠償金(治療費、修理費、慰謝料など)
2.
弁護士費用、訴訟になった場合にそれに要する費用、調停・和解・仲裁の場合にそれに要する費用

個人賠償責任保険で保険金が支払われない主な場合は、次のとおりです。

1.
契約者、被保険者の故意による損害
2.
地震・噴火またはこれらによる津波に起因する損害
3.
被保険者と同居する親族に対する損害賠償責任
4.
被保険者が所有、使用、管理する財物の損壊について、その財物につき正当な権利を有する者に対して負担する損害賠償責任
5.
被保険者の職務遂行に直接起因する損害賠償責任
6.
被保険者の心神喪失に起因する損害賠償責任
7.
航空機・船舶・車両または銃器の所有、使用、管理に起因する損害賠償責任

なお、個人賠償責任保険には示談交渉サービスを行う商品もありますが、このサービスを付帯(セット)しているかどうかは保険会社によって異なりますので、確認が必要です。