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からだの保険・他 / 傷害保険

問75

契約者と被保険者が異なる契約の場合に、契約締結後に被保険者がその契約を解除することはできないのですか。

答え
所定の要件を満たす場合には、原則として、契約者に対して契約の解除を請求することによりその契約からの離脱が可能です。

保険法では、被保険者が契約の当事者以外の者である死亡保険契約および傷害疾病損害保険契約・傷害疾病定額保険契約について、被保険者の人格権を保護するとともにモラルリスクを防止する観点から、一定の場合には、被保険者による解除請求(被保険者離脱)を認めています(注)。

保険法

注 保険法 第34条(被保険者による解除請求)
被保険者が傷害疾病損害保険契約の当事者以外の者であるときは、当該被保険者は、保険契約者に対し、当該保険契約者との間に別段の合意がある場合を除き、当該傷害疾病損害保険契約を解除することを請求することができる。【強行規定】
2 保険契約者は、前項の規定により傷害疾病損害保険契約を解除することの請求を受けたときは、当該傷害疾病損害保険契約を解除することができる。【強行規定】

保険法 第87条(被保険者による解除請求)
被保険者が傷害疾病定額保険契約の当事者以外の者である場合において、次に掲げるときは、当該被保険は、保険契約者に対し、当該傷害疾病定額保険契約を解除することを請求することができる。

第67条第1項ただし書に規定する場合(同項の同意がある場合を除く。)
前条第1号又は第2号に掲げる事由がある場合
前号に掲げるもののほか、被保険者の保険契約者又は保険金受取人に対する信頼を損ない、当該傷害疾病定額保険契約の存続を困難とする重大な事由がある場合
保険契約者と被保険者との間の親族関係の終了その他の事情により、被保険者が第67条第1項の同意をするに当たって基礎とした事情が著しく変更した場合

【強行規定】
2 保険契約者は、前項の規定により傷害疾病定額保険契約を解除することの請求を受けたときは、当該傷害疾病定額保険契約を解除することができる。【強行規定】

被保険者による解除請求(被保険者離脱)が認められる「一定の場合」とは、傷害保険における具体例としては次のケースが該当します。

1.
被保険者となることについての同意をしていなかった場合
2.
契約者または保険金受取人が被保険者に傷害を生じさせようとした場合や、保険金の請求について詐欺を行おうとした場合
3.
他の保険契約等との重複によって、被保険者に係る保険金額等の合計額が著しく過大となり、保険制度の目的に反する状態がもたらされるおそれがある場合
4.
被保険者の契約者または保険金受取人に対する信頼を損ない、契約の存続を困難とする重大な事由がある場合
5.
契約締結時に夫婦であった契約者と被保険者が契約締結後に離婚した場合など、被保険者となることについて同意した事情に著しい変更があった場合

被保険者による解除請求(被保険者離脱)は、原則として被保険者から契約者に申し出ることになりますが、被保険者となることについての同意をしていなかった場合で、かつ、健康保険証等、被保険者であることを証明できる書類の提出がある場合には、被保険者から直接、保険会社に解除請求を行うことができます。

各保険会社では、被保険者による解除請求の具体的な手続きについて、ホームページ等により周知を図っています。

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