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からだの保険・他 / 傷害保険

問71

傷害保険は、どのような保険ですか。

答え
傷害保険は、「急激・偶然・外来の事故」によりケガをした結果、入院・通院したり死亡した場合などに保険金が支払われる保険です。

ケガをして病院で治療を受けた場合には、健康保険などの公的な制度があるから大丈夫だと思っている人は多いかもしれません。しかし、入院しなければならないような大ケガをした場合には多額の入院費用がかかることがあり、また、その間に仕事ができず収入が途絶えてしまうといったこともあります。さらには、後遺障害を負ったり、死亡してしまうようなケースも考えられます。このようなケガによって生じる損失に備えるための保険が傷害保険です。

傷害保険は、以下のとおり「財物」を対象としている火災保険や自動車保険(車両保険)などとは異なる特徴があります。

1.
保険価額(時価)という概念が存在しないこと(注1)
傷害保険の対象は「人の身体」であり、人の価値は金銭に見積もることはできません。つまり、保険金額を決めるうえでの客観的な基準(保険価額の考え方)がないということになります。このため、一部保険および超過保険の考え方(「問57」参照)や、他の契約があった場合に適用される各契約の保険金支払いを調整する考え方(「問58」参照)は、傷害保険にはありません。

注1 例外としてクレジットカード付帯の海外旅行傷害保険が重複し同時に保険金(死亡保険金と後遺障害保険金)が支払われる場合には、最も高い保険金額を限度として、それぞれの保険から按分して保険金が支払われます(「問83」参照)。

2.
保険金が定額払いであること
火災保険や自動車保険は、事故によって生じた実際の損害額をもとに算出された保険金が保険金額を限度に支払われることになります(これを「実損払い」といいます。)。これに対して、傷害保険は契約時に定めた保険金額が保険金として支払われます(これを「定額払い」といいます。)。このため、健康保険、生命保険、労災保険または賠償責任保険など、他保険からの支払いとは関係なく保険金が支払われます(つまり、傷害保険とそれ以外の保険を契約している場合または複数の傷害保険を契約している場合には、各契約からそれぞれ保険金が支払われるということです。)。

被保険者が「急激・偶然・外来の事故」によってケガをした場合に支払われる主な保険金は、次のとおりです。

保険金の種類 要 件 支払われる額
死亡保険金 事故の発生の日からその日を含めて180日以内に死亡した場合 死亡・後遺障害保険金額の全額
後遺障害保険金 事故の発生の日からその日を含めて180日以内に後遺障害を負った場合 死亡・後遺障害保険金額×所定割合
(後遺障害の程度に応じた4%〜100%の割合)
入院保険金(注2) 事故の発生の日からその日を含めて180日以内(注3)に入院した場合 入院保険金日額×入院日数(180日を限度(注3))
手術保険金 事故の発生の日からその日を含めて180日以内に手術をした場合(事故の日から180日以内の手術1回に限ります。) 入院保険金日額×所定倍率
(入院中の手術は10倍、入院外(外来)の手術は5倍)(注4)
通院保険金(注2) 事故の発生の日からその日を含めて180日以内(注5)に通院した場合 通院保険金日額×通院日数(90日を限度(注5))

注2 入院保険金・通院保険金の支払い

  • ケガが全治せずに入院・通院している間に別のケガをした場合など、別々のケガで同一日に入院・通院したときには、その重複する入院・通院については重ねて保険金は支払われません。
  • ケガを被ったときにすでに存在していた身体の障害や疾病の影響があった場合や、ケガを被った以降にそのケガの原因となった事故と関わりのない傷害・疾病によりそのケガが重くなるなどの影響があった場合には、その影響がなかった場合に相当する入院・通院日数分の保険金が支払われます(例えば、骨粗しょう症の人が事故にあって骨粗しょう症の影響によりケガが重くなった場合などが考えられます。)。
  • ケガの「部位」「症状」に応じて保険金が支払われる商品もあります。

注3 事故の日から1,000日以内の入院日数に対して保険金が支払われる商品もあります。また、特約を付帯(セット)することで、入院日数を365日限度とする場合がありますが、180日以内に入院を開始した場合に限るなどの条件がある場合があります。

注4 損害保険料率算出機構が2014年4月に作成した傷害保険標準約款(※)では、入院中の手術と入院外の手術に区分して、入院中の手術の場合は入院保険金日額の10倍、入院外の手術の場合は入院保険日額の5倍の保険金を支払うことが規定されています。ただし、各保険会社の商品の契約締結時期によっては取扱いが異なる場合があります。

注5 事故の日から1,000日以内の通院日数に対して90日を限度として保険金が支払われる商品もあります。また、通院日数を30日限度とする場合もあります。

傷害保険では、主として次のような事由によって生じたケガに対しては、保険金は支払われません。また、被保険者の頸部症候群(むち打ち症)・腰痛・その他の症状で医師による他覚所見のないもの、細菌性食中毒やウイルス性食中毒についても保険金は支払われません。

1.
契約者、被保険者、保険金受取人の故意または重大な過失
2.
被保険者の自殺行為・犯罪行為・闘争行為
3.
被保険者の無免許運転、酒酔い運転、麻薬・シンナーなどを使用した運転によって生じた事故
4.
被保険者の脳疾患、疾病、心神喪失
5.
被保険者の妊娠、出産、早産、流産または外科的手術その他の医療処置
6.
戦争、内乱、暴動などの異常な事態
7.
地震・噴火またはこれらによる津波(注6)
8.
山岳登はん、リュージュ、スカイダイビング、ハンググライダー搭乗その他これらに類する危険な運動

注6 地震・噴火またはこれらによる津波(以下「地震等」といいます。)
地震等については、補償の対象外になりますが、保険会社によっては、「天災危険補償特約」を用意しており、この特約を付帯(セット)することで補償を受けることができます。

絶対的免責事由と相対的免責事由

  • 傷害保険では故意や重大な過失などによって生じた傷害に対して保険金は支払われません。これは「絶対的免責事由」と呼ばれています。
  • 一方、「相対的免責事由」とは、あらかじめ追加の保険料を支払っておけば補償されるものをいいます。例えば、上記の保険金が支払われない場合の「8.」における山岳登はんやスカイダイビングなどがこれにあたります。山岳登はんやスカイダイビングなどによってケガをする可能性は通常の運動よりも高いため、追加の保険料が必要になるのです。

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