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からだの保険・他 / その他の保険

問93

個人賠償責任保険は、どのような保険ですか。

答え
個人またはその家族が、日常生活で誤って他人にケガをさせたり他人の物を壊したりして、損害賠償金や弁護士費用などを負担した場合の損害を補償する保険です。

個人賠償責任保険は、個人の「住宅の管理」または「日常生活」に起因して、国内外(注)で発生した「法律上の損害賠償責任」を負担することによって被る損害を補償する保険です。単独で契約することもできますが、火災保険や傷害保険、自動車保険などの特約として契約する場合が多くなっています。保険期間1年、保険金額1億円に設定して契約しても、年間保険料は数千円程度であり、契約しやすいところにも特徴があります。日常生活(仕事中を除く。)の中で実際に損害賠償金を請求されることは少ないかもしれませんが、最近では、自転車事故によって他人を死傷させた場合に、高額な損害賠償金を請求されるケースも発生しており、家計が経済的に大きなダメージを受けることもあり得ます。

注 国内に限定している商品もありますので、その場合は、海外赴任先における日常生活での事故は補償の対象外になります。なお、そのような場合であっても、保険会社によっては、「個人国外危険補償特約条項」を用意しており、この特約を付帯(セット)することで補償を受けることが可能となります。

個人賠償責任保険の被保険者は「生計を共にする同居の親族」となっています。したがって、世帯主が契約すれば子供が起こした事故も補償されます。また、子供には「生計を共にする別居の未婚(これまでに婚姻歴がないこと)の子」が含まれますので、例えば親から仕送りを受けている未婚の学生についても補償の対象となります。

補償の対象となる事故例は、次のとおりです。他人の「身体」や「財物」に損害を与えた場合が対象となりますので、他人への名誉毀損やプライバシー侵害といったケースは補償の対象外となります。

1.
買い物中に陳列商品を落とし破損させた。
2.
飼い犬が他人を噛んでケガをさせた。
3.
子供が駐車場に停めてあった他人の車をキズつけた。
4.
自転車で走行中に歩行者とぶつかり後遺障害を負わせた。
5.
マンションの自宅の風呂場からの水漏れにより、階下の戸室の家財に損害を与えてしまった。
6.
ガス爆発によって、隣の建物を損壊させた。
7.
ベランダの鉢植えが落下して歩行者の頭に当たり死亡させた。

個人賠償責任保険で保険金支払いの対象となる損害や主な費用は、次のとおりです。

1.
被害者に対する損害賠償金(治療費、修理費、慰謝料など)
2.
弁護士費用、訴訟になった場合にそれに要する費用、調停・和解・仲裁の場合にそれに要する費用

個人賠償責任保険で保険金が支払われない主な場合は、次のとおりです。

1.
契約者、被保険者の故意による損害賠償責任
2.
地震・噴火またはこれらによる津波に起因する損害賠償責任
3.
被保険者と同居の親族に対する損害賠償責任
4.
被保険者が所有、使用、管理する財物の正当な権利を有する者に対する損害賠償責任
5.
被保険者の職務遂行に直接起因する損害賠償責任
6.
被保険者の心神喪失に起因する損害賠償責任
7.
航空機・船舶・車両の所有、使用、管理に起因する損害賠償責任

なお、保険金の請求手続きについては、発生した損害の程度により異なりますが、軽度の物損事故の場合であれば、保険会社または代理店に連絡のうえ、備え付けの保険金請求書に記入して、被害物件の写真と修理費の請求書(または見積書)、加害者(被保険者)・被害者が併記した示談書などの書類(事前に保険会社の承認を得た示談額等を記載した書類)を提示することが必要になります。また、個人賠償責任保険には示談交渉サービスを行う商品もありますが、このサービスを付帯(セット)しているかどうかは保険会社によって異なりますので、確認が必要です。

法律上の損害賠償責任

  • 賠償責任保険のうち個人賠償責任保険は家計分野を代表する商品ですが、様々な賠償責任保険はすべて、「法律上の損害賠償責任」を負担することによって被る損害を補償する旨を、約款において規定しています。この「法律上の損害賠償責任」には、不法行為責任、債務不履行責任、瑕疵担保責任など、民法、商法、その他一切の法律に規定されている損害賠償責任が含まれます。
  • その中でも主となるものは民法第709条に規定する「不法行為責任」(※)であり、故意または過失によって他人の権利を侵害する行為(不法行為)で生じた損害について、加害者は賠償責任を負うとしています。
    民法 第709条(不法行為による損害賠償)
    故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
  • 賠償責任保険は上記の不法行為責任などによって発生した加害者の損害を補償する保険であるため、一義的には加害者(被保険者)を保護することを目的としているといえます。しかし、加害者(被保険者)に支払われる保険金は、損害賠償金として最終的に被害者に支払われることになるので、結果として被害者救済にも役立つこととなります。
  • なお、賠償責任保険では「故意」による損害には保険金は支払われませんので、民法第709条に規定する責任で保険の対象となっているのは、「過失」による損害に限定されていることになります。

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