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共通 / Ⅰ. 損害保険について

解説

①損害保険の役割

わたしたちの日常生活には、交通事故・火災・地震・風水害・盗難など非常に多くの危険(リスク)が潜んでいます。例えば、交通事故であれば2015年の1年間で536,899件、1日約1,470件発生しており、死傷者数は670,143人にのぼっています。これらの危険(リスク)に対する経済的な対応方法は大きく3つに分けられます。1つ目は自分自身で危険(リスク)を「保有」する(例えば貯蓄で対応する)こと、2つ目は危険(リスク)を「回避」する(例えば車に乗らない)こと、3つ目は危険(リスク)を「転嫁(第三者に移動)」することです。この転嫁するということが「損害保険」で備えることになります。

損害保険は、契約者一人ひとりが少しずつお金を出し合い、事故に遭ったときの損害を補償します。例えば、10,000人の集団で、10人にそれぞれ1,000万円の損害が発生したとします。この場合、総額1億円の損害が発生したことになりますが、1人あたり1万円を支払えば、その損害を補償することができます。いつ、どこで、誰が事故に遭って損害を被るかは分かりませんが、一人ひとりの負担が1万円で、1,000万円の補償を受けることができるので、少ない負担で大きな安心を得ることができるといえます。

保険会社には保険制度を適正に運営していくためのルールがあります。損害保険を販売している会社は、様々な経営基盤を持って事業を行っていることから、契約者保護を図るとともに適正な事業運営を行う必要があります。そのため、損害保険会社を規制する法律(保険業法など)や損害保険会社の経営が健全かを客観的にチェックできる仕組み(ソルベンシー・マージン比率など)、万が一の場合に損害保険会社が破綻したときに契約者を保護する体制(損害保険契約者保護機構)を整えるなどのルールが設けられています。

大数の法則

  • いつ、どこで、誰が事故に遭うか予測することはできませんが、事故が発生する確率を算出することはできます。例えば、オセロゲームの駒を投げた際に、数回投げただけでは、連続して白が出るかもしれませんが、何十回、何百回、何千回と投げると、白が出る確率と黒が出る確率は2分の1に近づいていきます。保険会社もこれと同様に、過去の数多くのデータを集積しており、それにより事故の発生する確率を算出しています。これを「大数の法則」といいます。

保険料負担の公平の原則

  • 契約者によって事故の発生する確率が異なるため、公平性を保つには、その確率に応じた保険料を設定する必要があります。これを「保険料負担の公平の原則」といいます。一般的には事故の発生確率が高い人は保険料が高く設定され、事故の発生確率が低い人は保険料が低く設定されることになります。
  • この発生確率を保険料に反映させるには、正しい情報を契約者自身から提供していただくことが必要になります。これを「告知義務」といいます。また、この条件は契約後に変動することもありますので、その場合にも正しい情報を契約者自身から提供していただくことが必要になります。これを「通知義務」といいます。いずれも保険制度を適正に運営していくうえで大切なルールとなっています。

貯蓄は三角、保険は四角

  • いつどこで起きるか予測がつかない事故に遭ったとき、貯蓄の場合、事故が起きた時点でお金(経済的な備え)が十分に貯まっているとは限りません。一方、損害保険は契約したときから万一に備えた十分な補償を得ることができます。損害保険は少ない負担で大きな安心を得ることができる合理的な手段といえます。

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